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日本のビジネス戦士を見直しました

現場半生中継 その12

あまりにも面白い本を読んだのでご紹介します。

「巨龍に挑む~中国の流通を変えたイトーヨーカ堂のサムライたち」という本
で、著者の湯谷昇羊氏は週刊ダイヤモンドの元編集長です。

ご存知、日本の流通産業をリードするイトーヨーカ堂(以下IY)が1997年に
中国の四川省成都市に海外第1号店をオープンさせた際のドキュメンタリーが
中心となっています。
戦記モノのドキドキと経済モノのリアルさを合わせたような、とにかく面白い
のでぜひ読んで頂きたいのですが、さわりだけ紹介しておきます。

そもそものきっかけは、中国の一般国民にレベルの高い商品を提供できるチェ
ーンストアを誘致して欲しいと、中国政府が伊藤忠商事に依頼したことから始
まります。
高度な商品管理を行い、POSシステムを使って経理から物流までコントロー
ルする日本のトップ流通企業に進出してもらうことでノウハウを学びたいとい
う中国政府の思いがベースにありました。
そこで、白羽の矢が立ったのがIYだったわけです。

「お前、中国に行け!」「命令ですか?」「命令だ!」「わかりました」
当時、誰も中国になんて行きたくない。子供もいる、持病もある・・・。
それでも、社命を拒むことが退社を意味するIYにNoはない。

そうして選ばれた5名が成都に集まったのが1996年。中国政府の強い要望で、
1年後には開店させなければなりません。中国語が少し出来たのは北京に語学
留学した経験があるひとりだけ。日本語が出来る中国人を採用できるまで、
言葉も通じない国で開店の準備をいちからしなければなりません。しかも、
日本でさえありえない超短期間のうちに。

彼らが行ったマーケティング調査は、家庭のゴミ箱をあさって回ることです。
これなら言葉はいりません。スーツ姿でゴミ箱に手を突っ込む姿は近所の評判
になったようです。
採用は、途中で辞める人もいるだろうと1000人を採用。
最初の社員教育は日本流の挨拶です。
ところが誰も「いらっしゃいませ」の言葉を出せない。「そこまでやる必要な
い」と勝手なことを口々にいいます。
タイムカードを押す時間まで、集団でサボる人達もいました。「3回やったら
クビだ」と怒ると、翌朝ホワイトボードに旧日本陸軍の絵と「日本鬼、死ね、
帰れ」とホワイトボードに書かれていました。
1000人のうち200人はあっという間に辞めてしまいました。
研修が終わって入社手続きをしようとすれば、証明書がニセモノだらけで収拾
がつきません。街で堂々とニセ証明書が売られていたのです。

毎日夜10時に部屋に戻っても悩みばかりで寝付けません。おまけに辛い四川料
理で下痢つづき、全員が激ヤセしていきました。
教育担当責任者に至っては、成果を上げて日本に戻ったときには過度のストレ
スによる精神障害と心臓病の悪化で、辞表を提出するしかありませんでした。

開店直前にはPOSなどのシステムが全く機能しなくなってしまいます。
どれだけ説明しても中国人社員が作業を間違えるからです。中国人は同じ値段
のモノを同じコードにすればいいと思ってしまいます。単品管理など何故そん
なものが必要なのか見当もつかないので、自分が何をやればいいのか腑に落ち
ないのです。
「何故できないんだ!」と上司は叫び、「なんでこんなことしなければならな
いいんだ! 俺は悪くない!」と中国人社員は主張する。中国人女性社員はひた
すら泣きわめく。
もはや修羅場です。日本一の流通グループの代表として乗り込んだプライド、
POS管理する近代的な経営をして欲しいという中国政府へのメンツなど、日
本人たちも引くに引けません。
プロジェクトの長である本社専務が成都に来た時に、開店の延期を直訴しまし
た。ところが専務は、
「成都はパンダの町だから竹くらいあるだろ。つり銭入れるカゴ買って来い!
溜め銭で商売せんかい。大事なんはいいもん売って、感謝してお金をもらうこ
とや!」と一喝。

そのようにして開店を迎えます。
すると、お客様用トイレのトイレットペーパーは全て開店日に消えました。次
にペーパーホルダー、最後には便器まで盗まれてしまいました。倉庫に警備員
をおくと、警備員が高級タバコを全て盗んでいきました。

商品が売れたのは最初の3日間だけで、売上は予算の10%くらいの達成率。
日本の衛生基準にもとづいて食品を廃棄すると、ゴミ置き場から近所の住民が
拾って帰るありさまです。
日本のエリートサラリーマンにとって、まさに地獄絵図が展開されたのでした。

とはいえ、この日本のビジネス戦士たちは痛み傷つきながら、「日本式」とい
うものを立派に定着させていきます。

IYの面々が成都に開店させた1997年から15年が経ちました。
いまや、上海の店でPOSは当たり前になりました。泥棒やニセモノもずっと
少なくなりました。しかし、その分、世界の先進国も含め競争は高度に過密に
なってきています。

IYの面々を思い、かなりMな僕としては大変だとは思いながらも羨ましいな
ぁとも思ってしまいます。見知らぬ大陸で、ドラクエのような試練に見舞われ
ながら戦い進んでいく姿はとっても魅力的です。
僕のモヤモヤモンモンも、彼らの苦労を思えば消し飛んでしまいました。

イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅敏氏は彼らに常に言っていたそうです。
「客は買ってくれないもの。取引先は売ってくれないもの。銀行は貸してくれ
ないもの」
日本にいる時は何を言っているか分からなかったが、中国に来てよく分かった
といいます。伊藤氏が創業した頃の日本は、まさに1997年の中国のようだった
のでしょう。

あるのが当たり前とは決して思わず、なくて当たり前と腹をくくる精神は、き
っと逞しい未来を築くでしょう。

なお、舞台となった成都ヨーカ堂は2008年の中国改革開放30周年で外資系企業
として唯一最優秀企業に選ばれました。そして全中国で一店当たり売上№1を
達成したのでした。
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